公益財団法人中山隼雄科学技術文化財団

調査研究事業

研究成果発表会

 調査研究並びに助成研究を実施された研究者(国際交流助成者を除く。)は、全員毎年9月下旬に東京で開催する「研究成果発表会」に出席し、ご自身の研究成果を発表していただきます。又、第一線で活躍されている講師による講演も実施しております。研究者だけでなく、一般の方々にもご参加いただくことにしておりますので、発表会終了後は、立食パーティー方式の交流会を行い、研究者相互はもとより多くの方々に交流していただいております。

第25回研究成果発表会の開催について

当財団の調査研究及び助成研究等の研究成果を発表する「第25回研究成果発表会」を、2018年9月28日(金)に東京・大崎の大崎ブライトコアホールで開催し、2016年度に助成し、2017年度に実施された「調査研究」「助成研究」「普及啓発事業」の成果を24名の研究者等に発表していただきました。発表内容は後日公表します。

プログラム

第1部 口頭発表

順番 発表者
(所属・肩書)
発表テーマ 年報
Page
1 菱山 玲子
早稲田大学理工学術院 創造理工学研究科
教授
ディスカッションで頭を柔らかく! 20
2 信太 洋行
東京都市大学 都市生活学部
准教授
災害サポートゲーム
〜そのときあなたは何をする〜
18
3 飛田 博章
首都大学東京 産業技術大学院大学
情報アーキテクチャ専攻 准教授
プレイヤー及び環境への映像投影装置によるビデオゲームの拡張 24
4 小川 有希子
法政大学 社会学部
兼任講師
喜劇映画における登場人物の身体の動きによる笑いの生成・認知メカニズム 48

第1部 ポスター発表

順番 発表者
(所属・肩書)
発表テーマ 年報
Page
1 辻 雄一郎
筑波大学 人文社会系
准教授
ゲームを遊ぶ憲法上の権利と規制 30
2 藤原 正仁
専修大学 ネットワーク情報学部
准教授
ゲーム開発者のキャリア形成に関する研究 34
3 横田 悠右
情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター
研究員
ウェアラブル脳波計を用いたコンピュータゲームの没入度に関連する神経基盤の解明 38
4 小池 耕彦
自然科学研究機構 生理学研究所
心理生理学研究部門 助教
「オンライン感」の神経基盤:二者同時記録脳機能イメージングを用いて 50
5 高柳 雅朗
東邦大学 医学部
助教
脾臓と腎臓の学習教材ペーパークラフトの開発 54
6 中野 良樹
秋田大学 教育文化学部
教授
パズルゲーム“タングラム”における洞察の生起過程 32
7 李  燦雨
筑波大学 体育系
助教
享楽的競技弓術「便射」から読み解く軍事と遊戯文化の狭間 62
8 長久  勝
NPO法人国際ゲーム開発者協会日本
執行責任者
ゲームエンジンを使った、コンピュータに支援された協働の体験を、全国へ 70

第2部 口頭発表

順番 発表者
(所属・肩書)
発表テーマ 年報
Page
1 三浦 政司
鳥取大学大学院 工学研究科
助教
ゲームデザインプロセスの応用によるエージェントベースモデリングのため対話手法の開発 42
2 大柳 俊夫
札幌医科大学 医療人育成センター
准教授
国際共同による注意機能訓練ゲームの開発と臨床応用 40
3 小名木 明宏
北海道大学大学院 法学研究科
教授
ゲームにおけるペナルティーの意義と機能について 26
4 中野  茂
札幌国際大学 人文学部
教授
「あっち向いてホイ」遊びのストレス耐性効果 56

第2部 ポスター発表

順番 発表者
(所属・肩書)
発表テーマ 年報
Page
1 中田 豊久
新潟国際情報大学 経営情報学部
講師
同じ場所に居る200人が同時に参加するゲームの開発 22
2 川合 伸幸
名古屋大学 情報科学研究科
准教授
VRゲームを複数人でプレイすると没入感は高まるか?
脳・自律神経反応を指標とした実験研究
28
3 山内  翔
北見工業大学 工学部
情報システム工学科 助教
ゲームキャラクターのロボット化のための任意形状ロボット構築手法 36
4 磯山 直也
神戸大学大学院 工学研究科
特命助教
演技・踊りを自然に遊ばせるシステムの開発 44
5 遠藤 真
富山高等専門学校
名誉教授
楽しく遊ぶプロペラ・コンテスト・プログラムの試み 46
6 高田 佳輔
中京大学 文化科学研究所
準所員
ソーシャルスキル向上のためのオンラインゲームコミュニティの利用可能性
─流動的集団による高難度の集団活動経験が現実世界に及ぼす影響─
52
7 平岡 透
長崎県立大学 情報システム学部
教授
バイラテラルフィルタによる非写実的な動画の生成 58
8 本吉 達郎
富山県立大学 工学部
講師
プログラミング学習を取り入れた遊環境構築のためのタンジブルなプログラミングツール 60

講演

VR研究の第一人者による次の講演を実施しました。
演題:遊びが変えていく自己 〜バーチャルリアリティと身体性の観点から〜
演者:鳴海 拓志 先生 東京大学大学院 情報理工学系研究科 講師

第24回研究成果発表会(2017年9月22日開催)の様子

 当財団の調査研究及び助成研究等の研究成果を発表する「第24回研究成果発表会」を、平成29年9月22日(金)に東京・大崎の大崎ブライトコアホールで開催し、平成27年度に助成し、平成28年度に実施された「調査研究」「助成研究」「普及啓発事業」の成果を28名の研究者等に発表していただきました。

 当日の模様を要約いたします。

開会のご挨拶

 当財団は、「人間と遊び」というユニークな視点に立脚した科学技術に関する調査・研究・開発の助成等を目的にスタートし、今年設立25年目を迎えました。会の冒頭では当財団理事長の中山晴喜があいさつし、当初はコンピュータゲーム分野においても「人間と遊び」の研究を学問として認知させることが中心だったが、今や学問として定着し、研究テーマも幼児から高齢者、脳科学から電子工学・囲碁将棋などにまで広がっていること、近年は研究助成とともに研究成果の普及活動にも注力していること、これらにより引き続きゆとりと活力のある社会の構築のために尽力していくことなどを述べました。


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口頭発表

 ウェアラブル端末の研究をはじめ、VR(仮想現実)を用いた「酔い」に関する研究、AI(人工知能)と遊びの組み合わせといった先端技術を用いた研究だけでなく、歴史上の遊びの復活についての研究報告などバラエティ豊かなテーマが並び、当財団がサポートしている研究の幅広さがうかがえました。


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ポスター発表

 前回より発表者が増え、これまで以上に活況を呈していたのがポスター発表会場です。ビッグデータを利用したゲームの作成、ゲームを通じたキャリア教育や体力向上、障がい者と健常者をつなぐゲームなどユニークな展示発表の数々に、多くの来場者が熱心に見入っていました。


「夢のゲーム」アイデア大募集 受賞者紹介

 当財団では、様々な社会的課題をゲームの手法を使って解決する「夢のゲーム」のアイディアを公募しています。4回目となった今回も斬新なアイディアが幅広い世代から寄せられ、応募総数230件の中から最優秀賞1点、優秀賞11点、ジュニア賞10点を選定しました。
 企画委員長の有澤 誠慶応義塾大学名誉教授が「マチタグ!−みんなで街を良くするゲーム−」で最優秀賞に輝いた大学生の立岡佑亮さん、「図形探しゲーム」でジュニア賞に選ばれた高校生の吉田花梨さんを紹介。それぞれにゲームに込めた思いや受賞の喜びを語りました。
(左:立岡さん、右:吉田さん)



講演 三宅 陽一郎氏
(株式会社スクウェア・エニックス テクノロジー推進部 リードAIリサーチャー)

 近年、より複雑化、大規模化しているデジタルゲームを開発する上で、大きな役割を果たしているのがAIです。こうしたゲームAI開発研究の第一人者である三宅陽一郎氏に、「デジタルゲームと人工知能の相互作用と共進化」と題して講演を行っていただきました。
 三宅氏は、ロール・プレイング・ゲーム「FINAL FANTASY XV」を実例にあげながら、デジタルゲーム内のAIがゲームコンテンツとどのように影響を与え合いながら今日まで進化してきたかについて解説しました。
まずはゲームAIの概論からスタートし、ゲームAIには「ゲームの中のAI」と「ゲームの外のAI」があることを説明。さらにゲームの中のAIには、@ゲームの流れを作り、ゲーム全体をコントロールする「メタAI」、Aゲームに登場するキャラクターの意思決定を行う頭脳として機能する「キャラクターAI」、Bキャラクターが動き回る環境の制御や位置解析などを行う「ナビゲーションAI」の3つがあり、それぞれが独立しつつ協調することによって、より動的なデジタルゲームを実現していると語りました。
 例えばキャラクターAIなら、個々のキャラクターに搭載されたAIが複数の思考を同時に働かせ、意思決定を即座に行っていることなどを映像とともに紹介。人気ゲームが最先端のAIを使ってどのように構成されているかを知る貴重な機会とあって、参加者も真剣に耳を傾けていました。
 また、ゲームの外のAIは、ゲーム開発工程の支援やゲームバランスの自動調整などに活用されており、「ゲームの中と外、両方でAIを活用することで、デジタルゲームを非常に成熟した高品質な形で完成させることができる」と説明。今日のデジタルゲーム開発におけるAIの重要性をあらためて実感させた講演でした。

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講評

 閉会にあたって、当財団理事で選考委員長を務める成蹊大学名誉教授の渡邉一衛先生が講評し、今後も当財団が助成する研究をできるだけ幅広い分野の中から選定していく方針であることを述べたうえで、「研究者は、多様な分野の研究に触れることが、自身の研究の方向性を検討していく上でも大いに刺激になるはず。日々めざましい技術革新を続けているゲーム分野にキャッチアップしていくのは容易ではないが、ぜひ研究の成果を今後につなげてほしい」と締めくくりました。



交流会

 研究成果発表会終了後に、立食形式の交流会を開催しました。
 研究発表者、講演者を始めとする参加者が、発表内容などを中心に盛んに会話しながら楽しく交流していました。


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