公益財団法人中山隼雄科学技術文化財団

調査研究事業

研究成果発表会

 調査研究並びに助成研究を実施された研究者(国際交流助成者を除く。)は、全員毎年9月下旬に東京で開催する「研究成果発表会」に出席し、ご自身の研究成果を発表していただきます。又、第一線で活躍されている講師による講演も実施しております。研究者だけでなく、一般の方々にもご参加いただくことにしておりますので、発表会終了後は、立食パーティー方式の交流会を行い、研究者相互はもとより多くの方々に交流していただいております。

第24回研究成果発表会(2017年9月22日開催)の様子

 当財団の調査研究及び助成研究等の研究成果を発表する「第24回研究成果発表会」を、平成29年9月22日(金)に東京・大崎の大崎ブライトコアホールで開催し、平成27年度に助成し、平成28年度に実施された「調査研究」「助成研究」「普及啓発事業」の成果を28名の研究者等に発表していただきました。

 当日の模様を要約いたします。

開会のご挨拶

 当財団は、「人間と遊び」というユニークな視点に立脚した科学技術に関する調査・研究・開発の助成等を目的にスタートし、今年設立25年目を迎えました。会の冒頭では当財団理事長の中山晴喜があいさつし、当初はコンピュータゲーム分野においても「人間と遊び」の研究を学問として認知させることが中心だったが、今や学問として定着し、研究テーマも幼児から高齢者、脳科学から電子工学・囲碁将棋などにまで広がっていること、近年は研究助成とともに研究成果の普及活動にも注力していること、これらにより引き続きゆとりと活力のある社会の構築のために尽力していくことなどを述べました。


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口頭発表

 ウェアラブル端末の研究をはじめ、VR(仮想現実)を用いた「酔い」に関する研究、AI(人工知能)と遊びの組み合わせといった先端技術を用いた研究だけでなく、歴史上の遊びの復活についての研究報告などバラエティ豊かなテーマが並び、当財団がサポートしている研究の幅広さがうかがえました。


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ポスター発表

 前回より発表者が増え、これまで以上に活況を呈していたのがポスター発表会場です。ビッグデータを利用したゲームの作成、ゲームを通じたキャリア教育や体力向上、障がい者と健常者をつなぐゲームなどユニークな展示発表の数々に、多くの来場者が熱心に見入っていました。


「夢のゲーム」アイデア大募集 受賞者紹介

 当財団では、様々な社会的課題をゲームの手法を使って解決する「夢のゲーム」のアイディアを公募しています。4回目となった今回も斬新なアイディアが幅広い世代から寄せられ、応募総数230件の中から最優秀賞1点、優秀賞11点、ジュニア賞10点を選定しました。
 企画委員長の有澤 誠慶応義塾大学名誉教授が「マチタグ!−みんなで街を良くするゲーム−」で最優秀賞に輝いた大学生の立岡佑亮さん、「図形探しゲーム」でジュニア賞に選ばれた高校生の吉田花梨さんを紹介。それぞれにゲームに込めた思いや受賞の喜びを語りました。
(左:立岡さん、右:吉田さん)



講演 三宅 陽一郎氏
(株式会社スクウェア・エニックス テクノロジー推進部 リードAIリサーチャー)

 近年、より複雑化、大規模化しているデジタルゲームを開発する上で、大きな役割を果たしているのがAIです。こうしたゲームAI開発研究の第一人者である三宅陽一郎氏に、「デジタルゲームと人工知能の相互作用と共進化」と題して講演を行っていただきました。
 三宅氏は、ロール・プレイング・ゲーム「FINAL FANTASY XV」を実例にあげながら、デジタルゲーム内のAIがゲームコンテンツとどのように影響を与え合いながら今日まで進化してきたかについて解説しました。
まずはゲームAIの概論からスタートし、ゲームAIには「ゲームの中のAI」と「ゲームの外のAI」があることを説明。さらにゲームの中のAIには、@ゲームの流れを作り、ゲーム全体をコントロールする「メタAI」、Aゲームに登場するキャラクターの意思決定を行う頭脳として機能する「キャラクターAI」、Bキャラクターが動き回る環境の制御や位置解析などを行う「ナビゲーションAI」の3つがあり、それぞれが独立しつつ協調することによって、より動的なデジタルゲームを実現していると語りました。
 例えばキャラクターAIなら、個々のキャラクターに搭載されたAIが複数の思考を同時に働かせ、意思決定を即座に行っていることなどを映像とともに紹介。人気ゲームが最先端のAIを使ってどのように構成されているかを知る貴重な機会とあって、参加者も真剣に耳を傾けていました。
 また、ゲームの外のAIは、ゲーム開発工程の支援やゲームバランスの自動調整などに活用されており、「ゲームの中と外、両方でAIを活用することで、デジタルゲームを非常に成熟した高品質な形で完成させることができる」と説明。今日のデジタルゲーム開発におけるAIの重要性をあらためて実感させた講演でした。

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講評

 閉会にあたって、当財団理事で選考委員長を務める成蹊大学名誉教授の渡邉一衛先生が講評し、今後も当財団が助成する研究をできるだけ幅広い分野の中から選定していく方針であることを述べたうえで、「研究者は、多様な分野の研究に触れることが、自身の研究の方向性を検討していく上でも大いに刺激になるはず。日々めざましい技術革新を続けているゲーム分野にキャッチアップしていくのは容易ではないが、ぜひ研究の成果を今後につなげてほしい」と締めくくりました。



交流会

 研究成果発表会終了後に、立食形式の交流会を開催しました。
 研究発表者、講演者を始めとする参加者が、発表内容などを中心に盛んに会話しながら楽しく交流していました。


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